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高尾山 
Atelier Musubiba from Mt.Takao

山と暮らし、自然を愛す。

高尾山の四季折々の表情を彩った

​唯一無二のハンドメイドエナメルジュエリー。

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東京の高尾山。

登山客や観光客で賑わうロケーションの一角に、

エナメルジュエリーのアトリエ「Atelier Musubiba」が佇む。

アトリエ名の「結び葉」は生い茂った樹々の葉が重なり合い、

影を結ぶさまを表す言葉。

高尾の景色や生き物、植物といった四季折々の表情をモチーフに手作りのエナメルジュエリーを手掛ける。

​代表の阿部英亮氏は長年ジュエリー業界に携わった経歴を持つ。

幼少期の頃から手先が器用だったという阿部氏は、撮影業界を経て

ジュエリー作家中嶋邦夫氏のアトリエにて従事し、エナメルジュエリーを学ぶ。

その後は大手のジュエリーブランドのマネージメントも経て

2021年に独立し、「Aterlier Musubiba」を設立。

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エナメルジュエリーのエナメルはガラス質の粉末を熱で溶かし、

貴金属の表面に溶融させたもの。

その歴史は古く、古代エジプトやギリシャ時代まで溯る。

19世紀に西洋で広まった芸術運動である「アール・ヌーヴォー」の時代に最盛期を迎え世界に広まるが、加工工程に熟練した技能と長い時間を要することから、現代では一部の高級時計や宝飾品のみでしか見ることができなくなっている。
阿部氏は2007年から移り住み長年を共にした高尾の自然と、

「バスタイユ」や「プリカジュール」、「シャンルヴェ」などの高度なエナメル技法を折衷させ生み出されるモチーフを通じて、

彼ならではの世界観を作り上げる。

阿部氏が手掛けるエナメル技法の一つ、「プリカジュール」。
エナメルに透かしを用いた技法で、

透かし状に切り抜いた枠の内側にエナメルを施し、

ステンドグラスのような、半透明の焼き上がりを表現する技法。
エナメルをわずかな縁のみで固定するため、

何度も焼成と研磨を繰り返す必要があり、とても手間のかかる作業。
阿部氏はそんなプリカジュールの特徴を活かし、

半透明な羽を持つアサギマダラ、もみじやブナの葉など、

透かしだからこそ表現のできるモチーフをいくつも手掛ける。
僅かな太さの縁を細かく調整し、

思った通りの透かしを入れる技術は、まさに職人ワザ。

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ブナの葉ピアス(春、夏、秋)

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地金部分に繊細な彫金模様を施し、

模様が浮き上がるよう透明の釉薬を乗せて焼付ける「バスタイユ」。
デザインに合わせて形作られたジュエリーの表面に釉薬を乗せ、

約800℃の窯で焼き付けたのち表面を研磨し色彩効果を高める。
エナメルの透明感も相まって、

他のジュエリーにはない独特の美しさをもつ。
写真はバスタイユを施し制作した一点物の「月光」ネックレス。
手先が器用な阿部氏こそ可能な彫金技術により、

表面に浮かぶクレーターなど、

月の特徴が細部にわたり表現されている。

月光ネックレス

ベースとなる地金を彫り下げて作った窪みに釉薬を焼き付けて、

装飾パターンを作る「シャンルヴェ」。
古くはケルト人の装飾品に使わたといわれるエナメル技法で、
細かく分割された地金のデザインと、

エナメルのコントラストが美しい表情を見せる作品が特徴。
阿部氏は地金を細かく彫り込み作られた小さな窪みに、

爪楊枝を更に細くした棒で釉薬を彩る。

高尾で見られる水面や、春夏の沢沿いの風景、

野原に咲く春の花々をイメージした KESHIKI シリーズは、
阿部氏の彫金技法と、

エナメルワークの高度な融合が織りなす唯一無二の芸術。

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KESHIKI (夏木立、花歩き、みなも、春光)

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阿部氏が重きをおくエナメルの彩りには、
長きにわたる釉薬研究の背景がある。
焼上げ前と後で色が変化するエナメルは、

思ったとおりの色を出すのも一苦労。
何十種類もの釉薬を試行錯誤し、

ようやく満足行く彩りにたどり着いた作品もあるという。
試したい釉薬があれば海外からも取り寄せるという阿部氏。
彩り豊かな作品の裏側にはそんな密かな努力とこだわりがある。

現在はデザインフェスタを始め、

国内のハンドメイドイベントを中心に活動する。
21世紀にもエナメルを身近に広めたいという想いから、

今後は海外への進出も考えている阿部氏。
エナメルという西洋をルーツにしたジャンルに、

高尾の和のエッセンスが加わった作品は、

海外のエナメルコミュニティでも認知され好評を得ている。

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エナメルに対する情熱と技術が耐えない、

今後も期待のジュエリー作家。

阿部氏の活躍をかさねあわせも応援していきたい。

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