八重山藍
島藍農園 Shimaai
有機栽培と石垣島の自然が生み出す
唯一無二の藍染

日本の最南端、豊かな自然が広がる石垣島。
3人兄妹で藍染を手掛ける島藍農園では、
藍の栽培、収穫、発酵、染料作り、染めから
製品開発までを一貫して手作業で行っている。
藍染に使用される植物は、「ナンバンコマツナギ」というマメ科の木で、
本州で一般的に使用される蓼藍よりも青味が濃厚な染となる。
国内では石垣島が栽培の北限と伝われ、
古くから八重山諸島だけで用いられてきた島ならではの品種。
島藍農園では、化学肥料や除草剤も一切使用せず栽培する。
自然豊かな石垣島での有機栽培は手間がかかるが、
島の藍をより身近に感じ、より知るためにも、
あえて自らの手により栽培することへのこだわりが生まれたと、
代表の大濵 豪 氏は語る。


収穫された藍は、ほぼ丸一日水に漬け込んだ後、
消石灰を入れ、撹拌して酸化させ、沈殿藍へと姿を変える。
島藍農園では更にその沈殿藍へ木灰と石灰を加え、
栄養源に蜂蜜や小麦を混ぜ長時間醗酵させ染液を作り出す。
石垣島の温和な気候が常温での染液の醗酵を可能としており、
栽培から製法まで、一貫して石垣島ならではのこだわり。
島藍農園では藍に加え、他の染料も手掛ける。
黄色は「福木(フクギ)」と呼ばれる、
住民を台風の風から守るための垣根や街路樹などに使用されてきた
常緑樹の樹皮から抽出され、茶色や灰色は「モモタマナ」という、
沖縄では珍しい落葉樹から染められる。
冬には茶色く紅葉し、落葉した葉から作られる染料を使用し、
島藍農園ではこの藍、黄色、茶色とベースの色を混合させることにより、
緑や黒などのカラーバリエーションも生み出す。


手掛ける商品の殆どは自社で製品企画を行い、
羽織やTシャツなどの衣類だけでなくバッグやアクセサリー、
服飾雑貨など幅広い商品を展開。
「私たちは「染物屋」なので、
製作している製品の多くは染め直すことで長く使って頂けるよう、
丈夫でシンプルに作っています。」
そう話す大濱氏は、自然の色を楽しんで頂けるような、
現代のライフスタイルに合わせたモノづくりを第一に心がけ、
島藍が常に必要とされるために日々進化しつづけている。
石垣島の自然を誰よりも愛し、
島ならではの伝統を後世に伝えていきたいという大濵氏の情熱。
その想いを私達も共に応援したいとおもいます。